人生は見切り発車でうまくいく 奥田浩美

 [書評]人生は見切り発車でうまくいく 奥田浩美

人生は見切り発車でうまくいく

人生は見切り発車でうまくいく

 

著者について&本の概要


これまでに携わったITイベントの数は300以上、のべ動員数は10万人以上、数億円規模のイベントをいくつも成功に導いてきた実績からIT業界では「女帝」と呼ばれている著者。幼い頃は親の期待に応え、親が敷いたレールに沿って歩んでいた人生であったという。しかしレールの先ー人生の先ーが見えてしまったときにそのレールを降りる決意をする。ときに受動的に、能動的に行動のきっかけを得ながら、人生の進み方についてのヒントとして見切り発車でうまくいくのではないかということを纏めた本。勢いがあり、パワーに溢れ、前向きになれる本である。

 

本の要約とポイント

第6章までの章立てで構成されている.
それぞれの章の要約,その中で得た学びを紹介する.

第1章:結果を出す人がやっている見切り発車とは?
主張:とにかく考えるより悩むより行動あれ
根拠:レールから外れることで人生の見方が大きく変わり、物の見方が変わるとチャンスが広がる。リアルな経験を積まなければ、一生自信がつくことなどあり得ない。失敗することで試行錯誤し、行動することで成功が得られる。
学んだこと:確かに悩んでいても、机上の空論でどうなるか、はわからない。一歩踏み出すことで失敗したとしても次の方法を検証出来る。まずは試しにやる、ハードルを下げて挑戦する姿勢を身につけたい。

第2章:今日から結果を出す!発車するときの工夫
主張:スピードとパワーを上手に使うこと。マイナスの中にある、プラスを探すべし
根拠:決断力は経験と訓練で身につくが、決断のスピードをあげるには捨てる、やめる、逃げるなどといった行動が役立つ。行動して出来なかった、その理由に目をつけると成功へ繋がっていく。嫉妬した気持ちを自分の行動の目安にする。嫉妬するということは自分がそうなりたい、そうしたいと思っている、ということ。スピードにはマイナスエネルギーはついていけない。
響いたこと:逃げるのは決して悪いことではない、という言葉。
学んだこと:自分の感情に気づき、上手に感情を扱う。悩みや恐れを感じる前に一歩踏み出してしまえばこっちのさもの。逃げだ、と周りに思われても決断し、自分の人生を切り拓いていくためならネガティブだと言われる感情も利用していく。

第3章:壁を感じたときにどうするか?
主張:壁やピンチをチャンスとして受け止めるべし
根拠:ピンチは成長を促すきっかけ。ピンチをきっかけに物事を多角的に見えるようになる。ピンチがあると改めてなぜやりたいのか改めて考え直すことになる。自分の中にある強い気持ちを実感し、その熱意やピンチである今の状況を周りにアピールすることが出来る。ないものに意識を向けるよりもそこにあるものを活かす。ピンチがなかった場合、自分がやりたかったことや伝えたかったことは何か、それを最短で叶える行動は何か、どう行動するか、ということを考えて行動する。
学んだこと:壁やピンチは諦めるところではなく、そこから何を思い行動に移すか、ということが大切。

第4章:見切り発車で仲間を増やす方法
主張:幸せを共有すべし
根拠:溢れる思いや諦めない思いが周りを巻き込む熱量になる。人のチャンスを広げていく中で自己価値が高まり、信頼できる人になることで欲しい情報が手に入るようになる。憧れの人やなりたい人たちと一緒にいることでその人たちに近づくことが出来る。
学んだこと:自分ですごい!素敵!と思ったことはどんどんシェアしていくことで周りに貢献できる事もある。出来ない、人が求めていないだろう、と勝手に決め付けず自分の感性を信じて情報を発信してみることは大切かもしれない。憧れの人に近づけない、と諦めるのではなく近づくために今の自分はどう行動すればいいか考えてみる。

第5章:見切り発車で想いを形にする人たち

第6章:10年後も生き残るための見切り発車
主張:経験の積み重ねで自分の価値や人生の深みが増していく
根拠:経験の積み重ねが成果につながっていく。失敗は人生の辞書であり、成長への架け橋。人の価値は成果だけではなく、愛や感謝が裏付けられる。思い切りがない人ほど見切り発車に向いている。見切り発車は発車する瞬間ではなく、見切り発車した後の対応が積み重ねとして生きていく。
学んだこと:見切り発車の瞬間が大切だと思い込んでいたところがあったけれど、そうではないことがわかった。見切り発車してもその電車の中に夢や希望や大切な人たちを乗せているのなら尚更現状を把握し、どう進んでいくか、計画や手法を変更して進んでいくことが必要であることも納得できる。

 

人に勧めるとしたら


勇気が出ず、前に進む気持ちが薄いなと感じる人やどうしたら壁を乗り越えられるか悩んで進めない人に勧めたい.


見切り発車が出来る人は勇気や勢いのある人しか出来ないものだと勝手に思い込んでいたが,著者は思い切りのない人ほど見切り発車に向いているという.それがとても心に響いたし,救われると感じた.