意識障害って診断されたら、その意味、わかりますか?
脳外科病棟に看護師として勤めて長いのですが、あまりに当たり前の症状で、身近すぎて、ご家族に意識障害って何ですか?こんな症状ないですよね?意識はしっかりしてます、話してもわかってると思うので意識障害ではないですよね?と確認されたときにそのご家族が納得出来る説明を提供できなかったので、改めて知識を振り返ろうと思います。
脳卒中で入院された方の多くが発症当初、ぼんやりしていてどこか曖昧、わかってるのか怪しい、刺激がなくなるとすぐにうとうとしてしまう…そういう症状が見られることがあります。
大まかにいうと意識障害というのはそういう症状を指します(と、ご家族に説明したのですがわかってもらえず…)
意識とは
意識とは、覚醒度と認識機能の2つの要素で捉えることができます。
覚醒度
覚醒度は外からの刺激に対する反応です。例えば、声をかけられたら声のするほうに顔を向けたり、寝ていても目を覚まして反応を返しますよね?そういった反応のことを指します。
認識機能
認識機能は、外からの刺激に対してその内容を把握することです。例えば、今声をかけてきたのは○○さんだ!とか自分に声をかけてきてるなーとわかる、ということを指します。
つまり、意識障害とは…
意識障害はこの覚醒度と認識機能のどちらか、または両方が障害された場合のことを指します。
ぼんやりしてる、声をかけないと寝てしまう、という症状がある場合は意識障害と診断されることがあります。
意識障害の回復の経過は人それぞれです。徐々に覚醒度があがっていくことが多いですが、脳に対するダメージが大きければ回復にも時間はかかります。
状態や経過についてはある程度時期をおいてからDrから説明があります。発症当初、入院当日はもちろん説明がありますが、状態が変わっていなかったり検査が一通り終わっていなかったりすると、Drから説明できることは入院当初した話と同じになってしまいます。
日々のちょっとした変化や出来事についての話なら看護師もできますので気軽に声をかけてもらえたらいいのかなと思います。
意識障害のこと、少しでもわかってもらえたら嬉しいです。
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